2015/11/16

iPhoneで出来るだけ綺麗に水景を撮るには《撮り方編》

実際にiPhoneを使って、できる限り写真を綺麗に水景を綺麗に撮る手順などを書いていこうと思います。

大層なタイトルを付けてしまったので期待されていたらすみません、、、iPhoneはiPhoneなので一眼レフで綺麗に撮るのとはまた話が違って来てしまいますので、『iPhoneで出来る限り』というキーワード内で書いてゆこうと思っています。

iPhoneはいろいろとバージョンアップごとに機能が増えていっているのですが、ここではiPhone5s以降の露出補正機能が付いてからの機種に対応した説明になります。




事前準備として

まずiPhoneとか一眼レフとか言う前に、被写体自体に汚れがあってはどんな高価なカメラでも綺麗には写らないので、ガラス面や器具のコケを極力取り除きます。いくらiPhoneのカメラが優れていると言っても、苔だらけのガラス面を透明に撮る事は出来ないはずなので、、、。



iPhoneにはいくつかのカラーバリエーションがありますが、ガラス面は反射してiPhoneが写り込んでしまう場合があります。撮影時には黒いマット系のカバーを付けるか、面倒だったらレンズ部分だけ出してボディを黒い布なんかで簡易的に包んでも良いかもです。(ちょっと大掛かりですが、水槽より大きめの黒いボードにレンズ部分の穴をあけ、水槽手前の物が全て写り込まないようにする方法もあります)




僕はゴールドのiPhone6 Plusを愛用していますが、やはりゴールドは光を受けやすく、部屋の明かりがついている場合や、水槽のライトに近い場所から撮影するときには、ガラス面の写り込みが出てしまうので、部屋を暗くし、少し上から撮ったり斜めから撮ったり写り込み部分が消える位置から撮るようにしています。着ている服も写り込む場合はあるので本気の場合は黒い服に着替えるか、黒い布を上半身に巻きつけて撮るようにします。

そしてもちろんフラッシュは反射してしまうのでOFF設定で〜。




実際の撮影では、、、


まず、水槽のガラス面に自分やiPhoneが写り込んでしまうので部屋の電気を消します。そして水槽照明用のライトを点灯し、複数持っている方は出来るだけ設置して極力光が強く当たるように設置します。

そして構えですが、iPhoneを両手でしっかり持って、脇を締めます。意外とこれは大事なポイントの1つで、締める事でかなり手ぶれをなくす事が出来ます。片手撮影や腕を前に伸ばした状態でシャッター切るのは御法度です。



後はとにかく沢山撮ります
腰が痛くても沢山撮ります
納得行くまで沢山撮ります



昔大学の写真の授業のときに、

『なんで撮りたいものを一枚しか撮らないのか?』

と写真の教授がよく言っていましたが、撮りたい被写体を何枚もいろんな角度からいろんな明るさで撮ることで、自分の好みがわかり、経験値が増えれば増えるほど次回の撮影で応用が利くようになっていきます。
同じ位置からの撮影だけでなく、水槽に寄ったり離れたりするのも効果的です。


iPhone5s以降の機能では、画面にタッチしてピントを合わせる際に、指を上下にスワイプすると露出が変えられます。暗い水槽を撮るとやけに白っぽく写ったり、明るい水槽を撮ると逆に暗〜く写ったりするのは自動露出がポイント部分だけで測っているので、目で画面を見ながら、水草が生き生き綺麗に見える露出に変更。この作業が何気に一番大事かも。






この画像は僕のiPhoneで撮影した写真をiPhotoに取り込んだ時のビューアーの様子ですが、少しのアングル違いでガラッと水景の見え方が変わったりするので、いろんな角度、露出で撮影をしています。さらには水槽の中にはお魚も入っているので、魚のベストショットを同時に狙う時は、この2倍、3倍と撮りまくっています。

別に下手だから沢山撮るっているのではなく、ちょっと位置を変えるだけで良いアングルが見えたりするので、可能性を探る上で沢山撮る事は必須です。仕事で人物の撮影する時も、よく動ける整った非の無いモデルさんを撮影するなら20〜30枚くらいで1カット終了しますが、なれてない新人さんやミュージシャンの撮影なんかは1カット100枚以上撮る事が多いです。

お魚さんをなかなかタイミング良く撮れないって場合は、シャッターの長押しでバースト機能を使い、超高速連続撮影で撮っても良いかもです。(数打ちゃ当たる的な)
昔と違って現在はデジタルカメラなので、フィルムの時のように現像の金額を考えながら撮るなんてことはないので、とにかく枚数こなしていらない写真は捨て、よりすぐりの一枚を見つけるまで撮るようにします。




トリミングと加工

撮った写真をそのままで見るのも良いですが、さらにクオリティを上げるためのブラッシュアップをしていきます。

まずはトリミング。意外と撮影中は魚の動きに夢中になっていたり、ピント合わせで慌しかったりすると、画面に入らない部分が写り込んでいたり画角が曲がっていたりなんてことも良くあります。なので撮った写真をプレビューし、編集画面にして余分な部分を切り取ります。

何気にトリミングするかしないかで、かなり写真の良し悪しが決まってくるし、見せたいものの重心をコントロールすることは水景レイアウトにも通づるものがあると思います。






さらに撮影時には調整できなかったカラートーンなども撮影後に加工していきます。写真は撮ったままが作品で加工することが邪道と思われるセミプロさんも多いですが、僕はあまりそういうことにこだわりがないので、コントラストや彩度の調整をしていきます。昔も結局は暗室で好きなトーンに焼き込んで写真家は作風を作っていたんだし、現代の暗室と考えればPhotoshopなどの加工ソフトをうまく使って素敵な作品になれば、それはそれでアリだと思います。

僕はPhotoshopを使ったり、携帯アプリを使って加工します。今回は簡単に画像が数倍見栄えが良くなるインスタグラムを使用して加工してみました。





まずフィルタで好きなイメージのトーンを選び、強すぎるようだったら2度押しするとフィルタ量を選べるので好きな数値で設定し、次に詳細設定で細かいコントラストや色のトーンを調整します。

僕はメリハリのある鮮やかな写真が好みなので、『ストラクチャ』を10くらい入れてディテールをだし、『シャープ』を30入れて見やすくし、『彩度』をあげてビビッドにして『暖かさ』を−50くらい減らして青く見せています。


これは好みの問題なので、いろんなフィルターをいじって試すのが一番手っ取り早いですが、だんだんと好みのトーンが作れるようになるとそれが作風となり、写真がもっと楽しくなってくるのではないでしょうか?
僕は濃厚でコントラストが強い写真が好みなので、いつもそういった方向に加工することが多いんですけど、ギリギリまで明るく調整し、コントラストも弱い写真もブームだったりするので(女子カメラ的な)、同じ写真でもいろんなバリエで見てみるのも自分の水景が違ったものに見えてきて勉強になるかと思います。




実際の写真加工の手順

実際にiPhone6 Plusで撮影した写真を使った加工手順は以下になります。



これがiPhoneで撮ったままのオリジナル画像。この一枚を撮るのに30枚くらい撮影し、その中でのベストショットになります。



 右端に写っている濾過器と、左上に写っているガラスのフチが邪魔だったので、トリミングしました。






余計なものがなくなって水草とベタに目線が集中するような絵になりました。大きさを比較するものもなくなったので、水槽の規模がわかりにくくなり空間が大きく見えてきました。






次はカラートーンの調整です。コントラストをあげてメリハリをつけています。レイコンで上位の方の作品を見ていると、光と影の分量バランスが美しいレイアウトがほとんどで、植栽がただ美しいというよりは、完成形のハイライトと暗部の計算までされて水景を作っているように思います。
なもんで、このようなレイコン対応の水景ではないものでも、暗部を締めることやハイライトの調整によって急激に見栄えのよいキャッチーな写真になっていきます。




さらに自分好みのトーンにするべく彩度をアップしてやや鮮やかにし、インスタグラムの『ビネット』で四角を暗めに焼き込みました。これによって一気に奥行きも広がったように見え出し、30cm水槽よりももっと大きい水槽なのかな?と思わせる水景に。

僕の場合はさらに『暖かさ』で色温度を青みのある方向にしてハイライトの透明感を演出しています。青みを入れると水がさらに澄んだ感じにみえて神秘的な感じがするので。





という感じで、いつもの水景スナップを一手間二手間増やすことで劇的に自分の水槽が『記録』から『作品』になって素敵に見えるので、興味のある方は是非やってみてほしいです。

基本的にはiPhoneでなくてもやることは同じで、水槽を綺麗に、写り込みをなくすように工夫し、綺麗に見えるトリミングとコントラスト&カラー調整。iPhoneでここまでいけるので、ミラーレスカメラや一眼レフでこういった点に気をつけたり加工することで、さらに劇的に写真が良くなる事間違いなし!

お時間あるときに是非〜。


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7 件のコメント:

  1. 流石です
    私はカメラはさっぱりなので
    ヤドクを撮るのにスマホ用の望遠レンズを購入予定です

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    1. zinさん
      わー、コメントどうもです!!!
      僕も最近スマホのレンズセットみたいの買おうかと思っていました。
      使用感良かったら教えてください〜。
      それにしてもヤドクが可愛い過ぎます。

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  2. なるほど。。。w
    解りやすい説明、ありがとうございます!
    私も、ブログに掲載する写真は、ほぼスマホで撮影・・・なので、とても参考になりました!

    インスタでの画像加工、手軽で便利ですよねぇ。。。

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    1. ヨッシーさん
      今は本当にスマホのカメラが性能が良くてびっくりです。インスタも思い通りに加工できて楽しいアプリですね〜。

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  3. Tsunodaさん

    なるほど、インスタグラムを使うとフィルタ機能が充実していていいんですね。
    画像の加工で、印象すごく変わりますね。私もやってみたいと思います!
    それと、枚数を撮る。これも難しそうではないですので(笑)、やってみます。

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    1. ペコさん
      加工し過ぎると変になったりもしますが、一つのツールとして使ってみるとより綺麗になって良いかもしれないです。写真はとにかく枚数撮ると上手になるのでいっぱい撮るのはおすすめです!

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    2. ありがとうございます。
      加工し過ぎて変に・・・。これは既に経験済みかもしれません・・・。
      枚数撮って、上手くなるよう頑張ります!

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